Presidio Property Trust(SQFT)投資分析:地方(セカンダリー/ターシャリー)市場の商業用不動産+トリプルネット(NNN)型のモデルホーム資産で収益源の分散を狙うマイクロキャップREIT
Presidio Property Trust(SQFT)投資分析:地方(セカンダリー/ターシャリー)市場の商業用不動産+トリプルネット(NNN)型のモデルホーム資産で収益源の分散を狙うマイクロキャップREIT
※ Presidio Property Trust(NASDAQ: SQFT)は、オフィス/産業用・リテールなどの商業用不動産と、住宅ビルダーにトリプルネット(NNN)で賃貸するモデルホーム(Model Home)資産に投資・運営する内部運用(Internally managed)の分散型REITです。2025年5月、Nasdaqの最低入札価格(Minimum Bid Price)要件に対応するため**1対10の株式併合(リバース・スプリット)を実施(5/19適用)し、6月には要件再充足(6/2時点で10営業日連続維持)**を発表して、上場維持に関する不確実性を一旦低減しました。 😅
📖 Company Introduction
Presidio Property Trustは、商業用不動産(オフィス/産業用/リテール)とモデルホーム資産に分散投資する分散型REITです。モデルホームは一般に住宅ビルダーへトリプルネット(NNN)で賃貸され、商業用資産は**バリューアッド(Value-add)**色が強く、稼働率や賃料の改善、運営改善などを通じて収益性と資産価値の向上を狙う性格があります。
🧾 Company Overview
- 会社名/ティッカー:Presidio Property Trust, Inc./SQFT
- 上場市場:Nasdaq Capital Market
- 形態:内部運用(Internally managed)の分散型REIT
- セグメント(開示ベース):Retail / Office・Industrial / Model Homes / Corporate & Other
- 資産・戦略(会社説明):米国西部・中西部の安定したセカンダリー/ターシャリー市場の商業用不動産にフォーカス
- 上場要件(重要チェックポイント):1対10の株式併合(2025/5/19適用)→ 2025年6月に最低入札価格要件の再充足を発表
🏗️ Business Model(何で稼ぐか)
- 賃料収入が中心+回収(Recovery)/その他収益
- 2025年3Q(9/30終了)の売上は約**$4.196M**、うち賃料収入が**$4.109M**で大半を占めます(前年同期の売上は約$4.723M)。
- NOI中心の運用(REITの重要KPI)
- 開示上、セグメント別の評価に**NOI(およびAdjusted NOI)**を用いており、モデルホームはNNN構造により費用構造が異なる点が示されています。
- 資産売却・評価項目が業績に大きく影響(イベント要素)
- 2025年3Qは不動産売却益(純額)$300,975を計上し、減損(impairment)関連も反映されています。
- リファイナンスと資本アクセスが「生存」と「成長」の双方で重要
- 2025年9月の開示では、コロラド州WestminsterのOne Park Centerで担保ローンを**$6.1M/5年/6.83%で借り換え(当初利息のみ**、期限前償還ペナルティなしと説明)しています。
🚀 Bullish(強気材料)
- セカンダリー/ターシャリー市場の利回り機会:大手REITの競争が相対的に弱い領域で、取得利回りや運営改善余地(キャップレートと資金調達コストのスプレッド)を狙える可能性。
- モデルホームのNNN構造:NNNでは税金・保険・修繕などの費用をテナントが負担するケースが多く、運営費のブレが小さくなり得ます(ただしテナント信用や住宅市況リスクは残ります)。
- リファイナンス進捗は短期カタリストになり得る:満期の延長や条件確定は流動性・借換リスクを下げるシグナル。
- 上場要件不確実性の一時的低下:2025年6月の再充足発表は短期のヘッドラインリスクを抑える効果。
⚠️ Downside factors(弱気材料/リスク)
- マイクロキャップの流動性/ボラティリティ+コンプライアンス再燃:株式併合は上場維持目的が大きく、株価・出来高の悪化で同種の問題が再発し得ます。
- 金利感応度(利払い負担):2025年3Qの担保ローン利息費用は**$1.499M**で、利払い負担が増えるほど分配余力や再投資余力が圧迫されます。
- 減損・売却損益の振れ:2025年3Qおよび9カ月累計でも減損関連が確認され、資産価値や賃貸環境の変化が損益へ直撃し得ます。
- 希薄化と資本コスト:小型REITは資金調達の“条件”に非常に敏感で、増資・転換証券・優先株などで経済性が急変し得るため、開示確認が不可欠です。
💵 Financial/Transaction Snapshot(開示ベース)
- 2025年3Q(9/30終了)
- 売上:$4,196,142/賃料収入:$4,108,866
- 不動産売却益(純額):$300,975
- 減損:$82,913
- 普通株主に帰属する純損失:$1,862,027(1株当たり -$1.53)
- 2025年9カ月累計(9/30終了)
- 売上:$12,700,066
- 金利、減損、G&Aなど固定費の影響が純損益を大きく左右し得ます。
🔮 Checkpoints & Catalysts(注目点/カタリスト)
- NOI/Adjusted NOIのトレンド:売上よりNOIの方がREITの体力を示しやすい(セグメント別NOIに注目)。
- 借換スケジュール/満期ラダー:One Park Centerに続く借換が継続するか。
- 減損・評価項目の頻度:一過性の整理か、資産劣化の兆候かを見極める。
- 上場要件と流動性:株式併合後の出来高、スプレッド、追加の企業行動の有無を監視。
📈 Technical perspective(簡易)
マイクロキャップはギャップ、急騰急落、板の薄さが起きやすいです。開示(借換・売却・コンプライアンス)などイベント前後は特に、分割エントリーと事前に定めたリスク上限(損切り/ポジションサイズ)が重要です。
💡 Investment Insights(Summary)
SQFTは賃料ベースのREITでありながら、実績のブレは**金利(利払い)、借換の成否(流動性)、資産イベント(減損/売却)**に強く左右されます。したがって「安定配当REIT」と決め打ちするより、10-Q/8-K等の開示に基づいてレバレッジ、満期、減損頻度、NOIの方向性を継続確認し、イベントドリブン+明確なリスク管理で捉える方が妥当です。
❓ FAQs
Q1. Presidio Property Trust(SQFT)はどんな会社ですか?
A. オフィス/産業用/リテールの商業用不動産と、住宅ビルダーにNNNで賃貸するモデルホーム資産へ投資する、内部運用の分散型REITです。
Q2. 2025年に株式併合をした理由は?
A. 主にNasdaqの最低入札価格要件の再充足を目的とし、**2025年5月19日(米国日付)**から併合後価格で取引が開始されました。
Q3. 投資家が最初に見るべき点は?
A. (1) NOI/Adjusted NOIの推移、(2) 借換と満期管理、(3) 減損の発生状況、(4) 上場要件と流動性(出来高/スプレッド)です。