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Verrica Pharmaceuticals(VRCA)― モルスクム初の FDA 承認皮膚科バイオ、その先はイボ・皮膚がんへの拡大ストーリー
AI Prompt 2025. 11. 30. 20:48Verrica Pharmaceuticals(VRCA)― モルスクム初の FDA 承認皮膚科バイオ、その先はイボ・皮膚がんへの拡大ストーリー
※ Verrica Pharmaceuticals(NASDAQ: VRCA)は皮膚科領域に特化したバイオテック企業で、カンタリジン(cantharidin)ベースの外用ドラッグ・デバイス複合製剤 YCANTH®(VP-102) を開発し、成人および 2 歳以上の小児における伝染性軟属腫(molluscum contagiosum)に対する、史上初かつ唯一の FDA 承認治療薬 の地位を獲得している。YCANTH は現在、米国で推定年間 600 万人のモルスクム患者をターゲットに販売が進んでおり、同社はさらに 尋常性疣贅(いわゆる一般的なイボ)、外陰部疣贅、足底疣贅、非黒色腫皮膚がん などへの適応拡大によって、同一プラットフォーム上に広いパイプラインを構築する戦略を進めている。 😅
1. 会社概要
- 会社名: Verrica Pharmaceuticals, Inc.
- ティッカー: VRCA(NASDAQ)
- セクター: 皮膚科治療薬/バイオテクノロジー
- 主なフォーカス領域:
- ウイルス性皮膚疾患(モルスクム、疣贅など)
- 皮膚がん(基底細胞がん・有棘細胞がんなど非黒色腫皮膚がん)
- ビジネスモデル:
- カンタリジンベースの外用ドラッグ・デバイス複合製剤の開発
- 米国では自社販売、日本など海外では Torii Pharmaceutical などパートナーにライセンスアウト
- 一時金・マイルストン・ロイヤルティに加え、自社製品売上で収益化
YCANTH の上市を機に、Verrica は皮膚科領域に特化した商業ステージのバイオテックへと移行しており、カンタリジンプラットフォームと免疫オンコロジー候補(VP-315)を軸にポートフォリオ拡大を進めている。
2. コア製品:YCANTH®(VP-102)
2-1. 作用機序と製剤設計
- 有効成分: カンタリジン 0.7%(w/v)
- 製剤形態: 使い捨て単回用アプリケータを用いる ドラッグ・デバイス複合製剤
- 作用機序(シンプルなイメージ):
- カンタリジンは水疱(blister)を形成する外用剤で、表皮に限局した水疱を誘発し、病変部を選択的に壊死・脱落させる
- 調剤薬局で作られるコンパウンド製剤と異なり、YCANTH は GMP 管理下で濃度と投与量が標準化 されている
- 投与方法:
- 患者ではなく、医療従事者がクリニックで病変に直接塗布
- 通常、約 3 週間間隔で再塗布を行い、病変が消失するまで治療を継続
ポイントは、YCANTH が「非標準的なコンパウンド製剤ではなく、承認を受けた商業グレードのカンタリジン製品」として初めて市場に出たという点である。
2-2. 承認適応と市場規模
- 適応症:
- 成人および 2 歳以上の小児における 伝染性軟属腫(molluscum contagiosum)
- FDA 承認:
- 2023年7月21日、米国 FDA が承認
- モルスクムに対する 世界初かつ唯一の FDA 承認治療薬
- 疾患・市場の特徴:
- 伝染性軟属腫は、主に小児に多い非常に感染力の高いウイルス性皮膚疾患
- 米国では年間約 600 万人が罹患していると推計される
- これまで正式に承認された治療薬は存在せず、冷凍凝固・搔爬・電気焼灼・コンパウンドカンタリジンなど、ほぼすべてが off-label の治療に頼ってきた
YCANTH は「標準化された初のモルスクム治療薬」という立ち位置を活かし、J コード(償還コード)の整備とともに、皮膚科クリニックでの使用数を徐々に伸ばしている。
3. パイプラインと適応拡大戦略
YCANTH(VP-102)はモルスクムで終わるわけではなく、同社は同じプラットフォームを用いて 尋常性疣贅、外陰部疣贅、足底疣贅 などへの適応拡大も積極的に進めている。
3-1. VP-102 / YCANTH ― 尋常性疣贅(Common Warts)
- 対象適応: 尋常性疣贅(verruca vulgaris, common warts)
- 背景:
- 米国では、約 2,200 万人が尋常性疣贅を持ち、年間 200 万件を超える受診があるとされる
- 現在、この領域にも FDA 承認の標準治療薬は存在せず、未充足ニーズが大きい
- 開発状況:
- 第 2 相試験(COVE-1)で用量・レジメン・安全性を評価
- パートナーである Torii Pharmaceutical との契約を改定し、グローバルなピボタル第 3 相試験の臨床費用の多くを Torii が負担 するスキームに変更
戦略としては、同じ薬剤・同じ機序を用いて、**「モルスクム → 一般的なイボ市場」**へとターゲットを広げる動きと言える。
3-2. VP-102 ― 外陰部疣贅(External Genital Warts, EGW)
- HPV(ヒトパピローマウイルス)感染による外陰部疣贅は、美容面・性の健康の両面で負担が大きい疾患である。
- Verrica は EGW を対象とした 第 2 相試験 で VP-102 の用量・投与スケジュールを評価しており、今後の開発方針について規制当局と協議中とされる。
EGW もまた、既存治療(酸性外用剤、冷凍凝固など)への満足度が十分とは言えず、プロシージャベースのプレミアムな外用治療が入り込む余地のあるニッチ市場である。
3-3. VP-103 ― 足底疣贅(Plantar Warts)
- 有効成分: カンタリジンをベースとした次世代製剤候補
- 適応症: 足底疣贅(足の裏にできるイボ)
- 開発の狙い:
- 足底の病変は角質が厚く、体重負荷もかかるため、治療が難しいケースが多い
- 単回用アプリケータを用いる標準化された外用プロシージャは、皮膚科だけでなく足病医・整形外科クリニックなどでも活用しやすいポテンシャルがある
3-4. VP-315(ruxotemitide、旧 LTX-315)― 非黒色腫皮膚がん
- 作用機序: 腫瘍内に直接注入する 免疫オンコロジー系ペプチド(オンコリティック様の作用を持つとされる)
- 対象: 非黒色腫皮膚がん(基底細胞がん、有棘細胞がんなど)
- パートナー: ノルウェーの Lytix Biopharma からグローバルライセンスを取得
- 戦略的意義:
- YCANTH・VP-103 がウイルス性良性病変(モルスクム、疣贅)にフォーカスしているのに対し、VP-315 は より高付加価値のオンコロジー領域 をターゲットにしている
- 成功すれば、Verrica は単なる「イボ治療会社」から、良性病変+皮膚がんをカバーする皮膚科スペシャリティファーマへとステージを引き上げる可能性がある
4. 商業化とパートナーシップ
4-1. 米国での商業展開
- YCANTH は 2023 年後半から米国で販売を開始
- 2024 年に専用の J コード が導入され、クリニックや病院は YCANTH 施術を明確な償還コードで請求できるようになった
- 2025 年第 2 四半期時点で、「実際に使用されたアプリケータ数(dispensed applicators)」は前年同期比で約 120% 増加 と報告されており、利用拡大のモメンタムが確認されている
4-2. 日本パートナー ― Torii Pharmaceutical
- Verrica は、日本での YCANTH 商業化を 鳥居薬品(Torii Pharmaceutical) にライセンスアウトしている
- 2025 年 9 月、Torii は YCANTH(開発コード TO-208)について、日本でモルスクム治療薬としての 承認を取得
- これに伴い、約 1,000 万ドル規模のマイルストン が 2025 年第 3 四半期のライセンス収入として Verrica の売上に計上された
- 契約改定により、尋常性疣贅のグローバル第 3 相試験費用の相当部分を Torii が負担 することになり、Verrica 側のキャッシュ負担が軽減されている
このように Verrica は、米国での自社販売・日本でのライセンス商業化・グローバル共同開発という ハイブリッド戦略 により、商業化・開発リスクの一部をパートナーと分担している。
5. 財務・バリュエーションスナップショット(2025年 Q3 時点)
(単位:米ドル、GAAP ベース/会社開示の要約)
- 2025年 第3四半期 売上高: 約 1,430 万ドル
- 内訳:
- YCANTH 製品売上: 約 360 万ドル
- ライセンス・協業収入: 約 1,070 万ドル
- うち、日本承認に伴う Torii マイルストンが約 1,000 万ドル
- 内訳:
- 純損益:
- 2024 年 Q3 は約 2,290 万ドル の純損失 →
- 2025 年 Q3 は約 27 万ドルの純損失(ほぼ損益分岐点レベル) まで大幅改善
- 構造的なポイント:
- 製品売上はまだ立ち上がり段階であり、2025 年 Q3 の大幅な損失縮小は 一時性に近いマイルストン収入の寄与 が大きい
- 中長期的には、
- YCANTH の米国売上成長、
- 尋常性疣贅・EGW・足底疣贅への適応拡大の成否、
- VP-103/VP-315 の開発進捗
によってビジネスモデルと収益構造が大きく変わってくる
小型バイオテックらしく、時価総額やバリュエーション倍率は非常に変動的 であり、最新の株価・時価総額は証券会社ツールや金融情報サイトでリアルタイムに確認する必要がある。
6. 強気要因(Bullish ポイント)
- モルスクムにおける「唯一かつ初」の地位
- モルスクムに対する唯一の FDA 承認治療薬であることは、
- 償還・ガイドライン収載、
- 医師教育、
- 患者・保護者の認知度向上
の観点で非常に強力な売り文句となる。
- コンパウンドカンタリジンと比べ、YCANTH は 品質・用量・投与スケジュールが標準化 されており、医療側にとっても臨床的・法的リスクの面で採用しやすい。
- モルスクムに対する唯一の FDA 承認治療薬であることは、
- 市場規模 ― モルスクム+各種イボ
- 米国のモルスクム患者は年間約 600 万人と推定され、その多くが小児
- さらに尋常性疣贅・足底疣贅・外陰部疣贅を加えれば、YCANTH/VP-103 が狙いうる 総アドレス可能市場(TAM)は数十億ドル規模 に達しうる。
- 商業トラクションの初期兆候
- J コード導入後、YCANTH の使用(dispensed applicators)は 前年同期比で約 120% 増加 と、三桁成長を示している
- 償還インフラが整うにつれ、医師が YCANTH を採用しやすい環境が整ってきた と見なせる。
- パートナーシップによるリスク分散
- Torii(日本)や Lytix Biopharma(免疫オンコロジー)との提携を通じて、
- 一部の臨床・商業コストをパートナー側が負担
- 海外売上に対するロイヤルティ・マイルストンを享受
- 小型バイオが自前で賄うには負担の大きいグローバル 3 相や海外上市を、パートナーの資本・インフラでレバレッジしている 点はポジティブ。
- Torii(日本)や Lytix Biopharma(免疫オンコロジー)との提携を通じて、
- 皮膚がん領域への拡大ポテンシャル
- VP-315 が非黒色腫皮膚がんで有望な有効性・安全性データを示せば、
- Verrica は「モルスクム・イボ会社」から オンコロジーもカバーする皮膚科スペシャリティファーマ として再評価される可能性がある。
- VP-315 が非黒色腫皮膚がんで有望な有効性・安全性データを示せば、
7. 弱気要因(リスク・ダウンサイド)
- 製品・プラットフォーム集中リスク
- 現時点で実質的な商業製品は YCANTH のみ
- パイプラインもカンタリジンプラットフォームと VP-315 に集中しているため、
- YCANTH の商業的失敗、
- カンタリジン全般に関する安全性問題の顕在化、
- VP-315 の臨床試験失敗
が起きれば、企業価値に大きなダメージを与えかねない。
- ライセンス・マイルストン依存の売上構造
- 2025 年 Q3 が示したように、売上の大半は Torii からのマイルストンなどライセンス収入 に依存しており、継続性は低い
- 中長期的に同社の実力を測る指標は、やはり YCANTH の製品売上の持続的な成長 であり、この部分はまだ立ち上がりフェーズにある。
- 既存治療慣行と競合の存在
- モルスクムや疣贅の領域では、すでに 冷凍凝固、搔爬、電気焼灼、酸性外用剤、コンパウンドカンタリジン など多くの治療手段が存在する
- 皮膚科医が YCANTH へ切り替えるには、
- 償還・保険カバー、
- クリニックでの収益性(マージン)、
- 業務フローへの適合性
などを総合的に判断する必要があり、採用ペースが投資家の期待ほど速くない可能性もある。
- 小型バイオ特有のボラティリティと資金調達リスク
- 時価総額が小さく流動性も限定的なため、
- 臨床試験の結果、規制判断、マイルストンの獲得・未達などを材料に、株価が大きく上下しやすい
- YCANTH とパイプラインの売上が安定したキャッシュフローを生む段階に至るまでは、
- 追加の株式発行やコンバーティブル債など、追加資金調達のリスクを常に意識する必要がある。
- 時価総額が小さく流動性も限定的なため、
- 規制・償還環境の不確実性
- モルスクムやイボは生命予後に直結しない疾患であり、
- 規制当局やペイヤー(保険者)が価格・償還範囲にどの程度積極的かは不透明
- 尋常性疣贅・EGW・足底疣贅などへの適応拡大についても、
- 第 3 相データの質、
- 既存治療との比較での優位性証明
によって、承認・償還の成否が左右される。
- モルスクムやイボは生命予後に直結しない疾患であり、
8. 主要チェックポイントと投資上の示唆
VRCA をフォロー・投資対象として見る場合、次のポイントを継続的にモニターする価値がある。
- 米国 YCANTH 売上の成長トレンド
- 四半期ベースの YCANTH 売上(ドル)と dispensed applicators 数
- 償還状況(カバレッジ)、ASP(平均販売価格) の推移
- 尋常性疣贅向けグローバル第 3 相試験
- 試験デザイン:症例数、主要評価項目、対照群(プラセボ or 既存治療)
- 中間解析での 有効性・安全性シグナル
- EGW・VP-103・VP-315 の開発タイムライン
- 各プログラムの第 1/2/3 相の開始時期とトップライン発表時期
- 追加パートナーシップ(欧州・中国など他地域でのライセンスやコ・プロモーション)の有無
- 新たなライセンス/マイルストン契約と財務構造の変化
- 日本以外の地域(欧州・アジアなど)におけるパートナーとの提携ニュース
- 増資、PIPE、コンバーティブル債など 新規資金調達の規模と希薄化インパクト
- 株価水準とリスク・リワードのバランス
- 主要イベント(臨床データ、規制判断、マイルストン発表)前後で、
- 想定アップサイドとダウンサイド、
- 小型ハイボラ銘柄として適切なポジションサイズ
を慎重に検討する必要がある。
- 主要イベント(臨床データ、規制判断、マイルストン発表)前後で、
9. 簡易 Q&A(FAQ)
Q1. VRCA はすでに安定した製品売上を持っていますか?
→ 部分的には Yes だが、まだ初期段階。
YCANTH の製品売上は四半期ごとに増加しているものの、2025 年 Q3 時点では ライセンス・マイルストン収入の方が売上に占める割合が大きい。
完全に「製品売上ベースでキャッシュフローが安定した企業」と呼ぶには、もう少し時間が必要だろう。
Q2. YCANTH の最大の差別化ポイントは?
→ 一言でまとめると、
「伝染性軟属腫に対する 初めてかつ唯一の FDA 承認済み標準化カンタリジン製剤」
という点である。
単回用アプリケータによる標準化された濃度・用量・レジメンを提供することで、コンパウンドカンタリジンやその他 off-label 手技との差別化を図っている。
Q3. 近い将来、株価にとって最大のカタリストになりそうなイベントは?
→ 主に次の 3 点が挙げられる。
- 米国における YCANTH 売上の成長率(前年比・前四半期比)
- 尋常性疣贅向けグローバル第 3 相試験 の開始・中間アップデート・トップラインデータ
- VP-315 など高付加価値領域(皮膚がん)の初期臨床データとパートナーシップ進展
小型バイオであるため、これらのイベント結果次第で 大きな上昇または下落 が生じる可能性がある。
Q4. どのような投資家に VRCA が向いているか?
→ VRCA は、以下のような投資家により適していると考えられる。
- 臨床・規制・資金調達リスク、そして高い株価ボラティリティを許容できる アグレッシブなグロース/イベントドリブン投資家
- 皮膚科領域(モルスクム、イボ、皮膚がん)に関心があり、小型銘柄の「ハイリスク・ハイリターン枠」をポートフォリオに少額組み込みたい投資家
一方で、配当・安定キャッシュフロー・低ボラティリティ を重視するディフェンシブ/インカム重視の投資家には、VRCA はあまり向いていない可能性が高い。
