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Argo Blockchain Senior Bond(ARBKL)投資分析 ― ビットコインマイニング企業に資金を貸해주는超ハイリスク・ハイイールド債
AI Prompt 2025. 12. 13. 11:06Argo Blockchain Senior Bond(ARBKL)投資分析 ― ビットコインマイニング企業に資金を貸해주는超ハイリスク・ハイイールド債
※ Argo Blockchain Senior Bond(NASDAQ: ARBKL)は、英国拠点のビットコインマイニング企業 Argo Blockchain plc が 2021 年に発行したシニア・コーポレートボンド(いわゆる「ベイビーボンド」)です。年利 8.75%のクーポン、額面 25 ドル、満期は 2026 年 11 月 30 日で、利払いは四半期ごとに行われます。過去 1 年間でこのノートは 1 ドル台から 1 桁後半まで、額面から大幅にディスカウントされた水準で売買されてきました。その結果、TTM ベースのインカム利回りは 20〜80%台まで跳ね上がっていますが、これはビットコインマイニングビジネスの高いボラティリティと、発行体のクレジットリスク(デフォルト・リストラクチャリングリスク)を反映した「リスクプレミアム」と見るべきであり、通常の安定的な債券利回りとは性質が異なります。 😅
1. 商品概要 ― ARBKL はどんな銘柄か?
- 正式名称: Argo Blockchain plc 8.75% Senior Notes due 2026
- ティッカー: ARBKL(NASDAQ 上場)
- 発行体: Argo Blockchain plc
- 英国拠点のビットコインマイニング企業(普通株ティッカー:ARBK)
- クーポン(利率): 年 8.75%
- 額面(フェイスバリュー): 1 ノートあたり 25 ドル
- 発行規模: 総額約 4,000 万ドル(約 160 万枚+オーバーアロットメント約 24 万枚程度)
- 発行日: 2021 年 11 月
- 満期日: 2026 年 11 月 30 日
- 上場市場: NASDAQ(通常の米国株と同様に証券口座で売買可能)
この債券は、米国市場で一般的に 「ベイビーボンド(baby bond)」 と呼ばれるタイプです。
- 一般的なコーポレートボンドが額面 1,000 ドル単位で発行されるのに対し、
- ARBKL は 額面 25 ドル単位 で発行され、取引所に上場されています。
個人投資家にとっては:
- 少額から分散して買いやすく、
- 通常の米国株とほぼ同じ感覚で売買できる、という特徴があります。
2. 利払い構造 ― 年 8.75%クーポン、四半期ごとにキャッシュフロー
2-1. クーポンと支払条件
目論見書と条件を整理すると以下の通りです。
- クーポン: 年 8.75%(額面 25 ドルに対して)
- 年間利息(1 ノートあたり):
- 25 ドル × 8.75% = 年 2.1875 ドル
- 四半期利息:
- 1 四半期あたり約 0.5468〜0.5469 ドル
- 支払頻度: 四半期ごと(年 4 回)
- 支払タイミングの目安:
- 1 月末前後、4 月末前後、7 月末前後、10 月末前後(記録日・権利落ち日の関係で若干変動)
これまでの利払い実績を見ると:
- 2023〜2025 年にかけて、
- 1 ノートあたり 四半期約 0.547 ドル 前後の利払いが継続して行われています。
つまり現時点までは、利払いは予定通り実行されている 状況です(将来が保証されるわけではありません)。
2-2. 満期とコールオプション(繰上償還リスク)
発行時に開示されたコールスケジュールは概ね以下の通りです。
- 満期: 2026 年 11 月 30 日
- 発行体によるコール(繰上償還)条件:
- 2023-11-30 ~ 2024-11-29:
- 額面の 102% + 未払い利息 で任意償還可
- 2024-11-30 ~ 2025-11-29:
- 額面の 101% + 未払い利息 で任意償還可
- 2025-11-30 以降~満期:
- 額面の 100% + 未払い利息 で任意償還可
- 2023-11-30 ~ 2024-11-29:
したがって、
- ビットコイン価格が大きく上昇し、
- Argo の財務状態が改善してより低コストで資金調達できるようになれば、
→ 発行体はこの高金利債(ARBKL)を 繰上償還(コール) し、より低利の負債に借り換える可能性があります。
投資家は:
- 状況が好転した場合:
- 早期償還により「超高利回りゾーン」が長続きしないリスク、
- 状況が悪化した場合:
- 満期前にデフォルト・リストラクチャリングが発生し得るリスク、
この 両方を同時に織り込んで 投資判断を行う必要があります。
3. 現在の価格と利回り ― なぜここまで安いのか?
3-1. 直近の価格水準と TTM 利回り
複数のデータソースによると、2025 年後半時点で:
- ARBKL は 1〜2 ドル台 の低位レンジで推移する場面が多く、
- 52 週レンジは 1 ドル前後〜 8 ドル台後半 と報告されています。
TTM(直近 12 ヶ月)のインカム利回りとしては:
- 多くの場合 20%台半ば の利回りが表示され、
- 一時、価格が 2.65 ドル近辺で取引された局面では、
- シンプル計算で 80%超の利回り が算出されたこともあります。
これは決して、
- 「クーポン 8.75%がいつの間にか 80%になった」わけではなく、
- 25 ドル額面の債券が 2〜3 ドルに暴落している一方で、
クーポンのドル金額が変わっていない ために、- 2.1875 ドルの年利を 2〜3 ドルで買って受け取る構造となり、
- 見かけ上のインカム利回りが異常に高く見えるだけ、ということです。
3-2. シンプルな利回り計算の例
いくつか簡単な例で見ると:
- 債券価格が 2.50 ドル の場合:
- 年間利息 2.1875 ドル ÷ 2.50 ドル ≒ 約 87%
- 債券価格が 5.00 ドル の場合:
- 2.1875 ÷ 5.00 ≒ 約 43.8%
つまり、市場は:
- 「残りの利息と元本が 全額支払われないかもしれない」
というリスクを強く織り込んでおり、
非常に高い見かけの利回りは、クレジット・デフォルトリスクを織り込んだ結果 であって、通常の債券利回りとは性質が異なります。
4. 発行体 Argo Blockchain の概要 ― ビットコインマイニングビジネス
ARBKL のリスクは、最終的には 発行体 Argo Blockchain の信用力 に帰着します。
4-1. ビジネスモデル
- Argo Blockchain はロンドン本社の ビットコインマイニング企業 です。
- 米国テキサスなどにマイニングデータセンターを保有・運営しています。
- 収益性は以下の要素に大きく依存します。
- ビットコイン価格
- ネットワーク難易度(ハッシュレート)
- 電力コスト・設備投資(CAPEX)・運営費(OPEX)
要するに、クリプト市況とエネルギーコストに強く依存する高ボラティリティなビジネス です。
4-2. 直近の業績と負債調整
1)2023 年度の概要
- 年間マイニング収入:約 5,000 万ドル強(前年比約 14%減)
- マイニングマージン:54% → 43%へ低下
- 純損失:
- 2022 年:約 -2.29 億ドル
- 2023 年:約 -3,500 万ドル
→ 純損失は約 85%縮小 したものの、依然として大幅な赤字
- 負債リストラクチャリング:
- 2022 年半ばに約 1.43 億ドルあった負債を、
- 2023 年半ばには約 7,500 万ドル程度まで圧縮
- これは Helios マイニング施設の売却や減損処理などを通じて
- 「破綻寸前からの延命措置」 とも言える動きでした。
2)2024〜2025 年の動き(概要)
- 2024 年:
- 減価償却・減損・利息費用を含めると、依然数千万ドル規模の純損失
- Galaxy 関連の負債を全額返済
- これにより利息費用を約 41%削減
- 純有利子負債は 2023 年末の約 5,500 万ドル → 2024 年末の約 3,100 万ドルへ減少
- 2025 年:
- 約 8,000 台のマイニングマシンを売却(現金約 200 万ドルを確保)
- 今後はハッシュレート約 1.7 EH/s 程度を維持する計画
- CEO 辞任・CFO の暫定 CEO 就任など、経営陣の交代も発生
まとめると:
- Argo は 2022 年に ほぼ破綻寸前 の状態まで追い込まれましたが、
- 資産売却と負債圧縮によって何とか生き延びた状態であり、
- 現時点でも 数千万ドル規模の純損失と数千万ドルの純有利子負債 を抱えています。
したがって、ARBKL 投資家は、投資適格(インベストメントグレード)には程遠いクレジット であることを前提に考える必要があります。
5. 構造的な特徴 ― 「シニア債」だがリスクフリーではない
5-1. Senior Notes の意味
ARBKL は Argo の資本構成上、シニア(Senior) の位置づけにある社債です。
仮に清算・破産手続きに入る場合、一般的には以下の順番で弁済が行われます。
- 担保付き債権(担保付銀行借入や担保付社債など)
- その他シニア無担保債権(ARBKL を含む)
- 劣後債・優先株
- 普通株(ARBK)
つまり:
- ARBKL は 普通株や劣後証券より上位の弁済順位 を持ちますが、
- 担保付債権よりは下位 に置かれる可能性があり、
- 総資産 < 総負債 の状態では、シニアノートでも元本全額回収が保証されるわけではありません。
加えて:
- S&P や Moody’s などの大手格付機関による投資適格格付けは付与されておらず、
- カバレッジのある小規模格付機関でも シングル B 級程度の投機的グレード とされています。
つまり ARBKL は、「強い発行体の安全なシニア債」ではなく、「弱い発行体の中で相対的に上位にあるシニア債」 と認識するのが妥当です。
5-2. 流動性とボラティリティ
- 52 週株価レンジ:概ね 1 ドル前後 ~ 8 ドル台後半
- 過去 3 年のボラティリティも非常に高く、典型的な債券というより 小型株に近い値動き を示しています。
出来高の少ない日には:
- ビッド・アスクスプレッドが大きく開き、
- ある程度のサイズで売買すると 自分の売買が相場を動かしてしまう 可能性もあります。
6. 上昇・ポジティブ要因
リスクが極めて高い分、「好転した場合」の上昇インパクトも大きくなり得ます。
- 現在価格ベースの極端に高いインカム利回り
- 1〜3 ドル台といった大幅ディスカウント価格で購入した場合、
- クーポンだけで単純計算年 40〜80%超の利回りとなり得ます。
- クレジットリスクを取れる投資家にとっては、非常に強いインカムインセンティブです。
- ビットコイン強気サイクルへのレバレッジ
- ビットコインが長期強気トレンドに入り、
- マイニングマージンが改善し、Argo の財務が健全化すれば、
→ デフォルトリスクが低下し、ARBKL が額面近辺へ再評価される(リレーティング)余地 があります。
- 負債削減の取り組み
- 1 年間で負債を 60%超削減し、Galaxy 関連の負債を全額返済するなど、
- バランスシート改善の努力は継続されています。
- ARBKL 保有者にとっては、総負債の縮小はポジティブ要因 です。
- エクイティよりは優先する立場
- 普通株(ARBK)に比べ、シニアノートは破産・再建局面で 優先的に弁済されるポジション にあります。
- クリプトマイニングセクターの中では、相対的に守られた立ち位置といえます。
7. 主なリスク・ネガティブ要因
- 発行体クレジットリスク ― デフォルト・リストラクチャリングの可能性
- Argo はいまだ数千万ドル規模の赤字が続いており、
- 収益性はビットコイン価格・ハッシュレート・電力コストに大きく左右されます。
- 2022 年には実質的に「破綻寸前」まで追い詰められ、資産売却と負債圧縮で延命した経緯もあります。
→ 将来、ARBKL に対して デフォルトや条件変更(元本カット、満期延長など)のリストラクチャリングが発生する可能性 を無視できません。
- 極端な価格ボラティリティ
- 過去 2 年ほどの間に、ARBKL の価格は 10 ドル近辺から 1 ドル前後まで急落した局面があります。
- 実務上は、安定債券というより レバレッジの効いたクリプト関連エクスポージャー に近い値動きです。
- 流動性リスク
- 出来高が少ないため、まとまった数量を希望価格で売買しにくい場面があります。
- ビッド・アスクスプレッドが広く、たとえ投資シナリオが当たっても売買コストがリターンを削る可能性があります。
- FX・税務リスク(非米国投資家の場合)
- 米ドル建て債券であるため、自国通貨に対する 為替リスク をフルに負うことになります。
- 四半期利息には 米国での源泉徴収(通常 30%、租税条約適用で 15% など) がかかり得ます。
- 自国の利子所得・譲渡益課税も踏まえると、実効税引後利回りは投資家ごとに大きく異なります。
- 規制・経営面の不確実性
- エネルギー政策・環境規制・クリプト規制など、英国・米国双方の規制環境の影響を受けます。
- 経営陣の交代や経営戦略の変更も、リスク・リターンのバランスを大きく変え得ます。
8. 投資チェックポイント & 適した投資家像
8-1. ARBKL を検討する際にモニタリングすべきポイント
ARBKL への投資を真剣に検討するなら、最低限以下を継続的にチェックすべきです。
- ビットコイン価格とネットワーク難易度
- マイニングマージンとキャッシュフローに直結します。
- 長期の BTC トレンドだけでなく、ネットワーク全体のハッシュレート・難易度も併せて確認する必要があります。
- Argo の四半期決算・負債水準
- 純損失が縮小しているか、拡大しているか。
- 純有利子負債が実質的に減っているか。
- 利息費用や債務の満期構成がどう変化しているか。
- ARBKL の価格と利回りの変化
- 1〜2 ドル台で取引されている時と、5〜10 ドル台での取引では、
- デフォルトリスクとアップサイドのバランス がまったく異なります。
- 公表資料・リファイナンス・リストラクチャリング関連ニュース
- SEC 書類(6-K、20-F など)
- 債務借り換え計画、資産売却、負債再編のアナウンス
- 債権者との協議状況やコベナンツ(財務制限条項)の変更など
8-2. ARBKL が適している/適していない投資家
適している可能性がある投資家
- クリプト・ビットコインマイニング業界を理解している アグレッシブ/投機的な投資家
- ポートフォリオのごく一部(「失っても生活に影響しない資金」)で
ディストレスト・ハイイールド債へのトレードを試したい投資家 - 普通株 ARBK ではなく、発行体のシニア債という形で Argo にレバレッジベットをしたい投資家
適していない可能性が高い投資家
- 安定的なインカムと元本保全を重視する 保守的な債券・配当投資家
- 高ボラティリティ資産に不慣れで、元本全額毀損の可能性 に心理的抵抗が強い投資家
- 為替・税務・規制・クレジットリスクを同時に管理するのが負担な投資家
現実的には、ARBKL は 「安全な年 8.75%ドル建て社債」ではなく、
ビットコインマイニング企業の業績に直結したハイイールド・ディストレスト債 と捉えるべきであり、
ポートフォリオの核ではなく 小さな投機的サテライトポジション として扱うのが妥当です。
9. 簡易 Q&A(FAQ)
Q1. ARBKL は安全なインカム投資と言えますか?
→ いいえ。 現時点まで利払いは継続されていますが、
Argo の財務状態が悪化した場合には:
- 利払いの停止、
- 満期元本の不払い(デフォルト)、
- 元本カット・満期延長・他の証券への交換などのリストラクチャリング、
といった事態が起こり得ます。
クレジットの観点から、ARBKL は 「安全なインカム商品」ではなく、ハイイールド・ディストレスト債 として扱うべきです。
Q2. なぜ利回りがここまで高く見えるのですか?
→ 価格が大きく崩れた一方で、クーポンのドル金額が変わっていないからです。
- 額面 25 ドルの債券が 2〜3 ドルで取引されていても、
- 依然として年 2.1875 ドルのクーポンが支払われているため、
- 単純利回りの計算では年 40〜80%超という異常な数字が出ます。
これは、市場が 「残りのクーポンと元本の多くが支払われない可能性」を強く織り込んでいる ことの裏返しであり、
この高利回りは デフォルト・リストラクチャリングリスクへの補償 であって、「タダで高利回りがもらえる」わけではありません。
Q3. ビットコイン価格が上昇すれば ARBKL も上がりますか?
→ 中長期的には、そのようなシナリオは十分あり得ます。
- ビットコイン価格上昇 → マイニングマージン改善 → キャッシュフロー・財務の健全化、
- これによりデフォルトリスクが低下すれば、ARBKL が額面に近い水準までリレーティングされる可能性 があります。
ただし:
- ネットワークハッシュレート、電力コスト、マシン性能、
- Argo 固有の運営能力やレバレッジ水準、
なども同時に効いてくるため、BTC と完全な 1:1 連動ではありません。
Q4. 長期のコアポジションとして保有するのはアリですか?
→ 多くの投資家にとっては、コア資産として保有するのは難しい と考えられます。
- クリプトサイクルと Argo の実行面が同時に悪化した場合、
- 元本全額損失 というシナリオも想定せざるを得ません。
- より現実的なのは、ARBKL を:
- 高リスク・ハイリターンの投機的な小口ポジション と位置づけ、
- 「失っても許容できる資金」でのみ運用し、
- ポートフォリオ全体では安全資産・コア資産を中心とする構成にする、というアプローチです。
