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パシテア・セラピューティクス(Pasithea Therapeutics, KTTA)米国バイオ株 投資分析

Pasithea Therapeutics(ナスダック: KTTA)は、中枢神経系(CNS)疾患および RASopathy に特化した臨床段階バイオテックです。主力アセットである **PAS-004(次世代マクロサイクリック経口 MEK 阻害剤)**は、**NF1 関連 plexiform 神経線維腫(NF1-PN)**および MAPK 経路駆動型固形がんを主な標的としています。PAS-004 は現在、固形がんを対象とした第1相 FIH 試験NF1-PN を対象とした第1/1b相試験が進行中であり、一方で ALS 向け PAS-003統合失調症向け PAS-001 といった初期 CNS パイプラインも保有しています。 😅

 

1. 会社概要

  • 会社名:Pasithea Therapeutics Corp.
  • ティッカー:KTTA(NASDAQ)
  • 本社所在地:米国フロリダ州マイアミビーチ(Miami Beach, FL)
  • 設立/IPO:2020年設立、2021年9月にナスダック上場

1-1. ビジネスフォーカス

同社は自らを **「CNS(中枢神経系)疾患および RASopathy に焦点を当てた臨床段階バイオテック」**と定義しています。
主なポイントは以下の通りです。

  • 主力アセット:PAS-004
    • 次世代マクロサイクリック型 経口 MEK 阻害剤
    • 主な標的は
      • NF1 関連 plexiform 神経線維腫(NF1-PN)
      • MAPK 経路駆動型固形がん
  • 初期パイプライン
    • PAS-003:**ALS(筋萎縮性側索硬化症)**向け
      • 標的:α5β1 インテグリン
      • ヒト化モノクローナル抗体(mAb)
    • PAS-001統合失調症向け小分子候補(ごく初期段階)

過去には、英国でうつ病向けケタミン点滴クリニック事業も展開していましたが、これらのクリニック子会社(Pasithea Clinics など)は 2024〜2025 年頃に解散・整理され、現在はほぼ純粋なバイオ R&D 企業となっています。

1-2. ビジネスモデル

  • 典型的なプレ・レベニュー型 臨床ステージ・バイオテック
    • 製品売上は ゼロ、直近 12 ヶ月ベースでも実質的な売上は存在しない。
    • IPO 資金、公募・私募増資、ワラント行使 などのエクイティファイナンスに依存して運営。
  • 基本戦略は、
    1. PAS-004 を NF1-PN・固形がんで臨床的にデリスク
    2. その後 パートナーシップ/ライセンスアウト/ロイヤルティ などを通じて収益化
      というロードマップを目指している構図です。

2. コアパイプライン:PAS-004

2-1. 作用機序(MoA)

PAS-004 は、会社側が 「次世代マクロサイクリック MEK 阻害剤」 と説明している経口小分子です。

  • 標的:MAPK シグナル伝達経路の中核ノードである MEK
  • 分子形態:マクロサイクリック(環状構造)小分子
    • 既存の MEK 阻害剤と比べて
      • より予測可能な薬物動態(PK)
      • 長い半減期
      • Cmax/Cmin 比 < 2 の安定した曝露プロファイル
        を狙って設計されたとされています。

目的は、特に NF1-PN のような 慢性・長期投与が必要な疾患において、より滑らかで一貫した曝露を提供できる MEK 阻害剤を実現することです。

2-2. 戦略的適応症

  • NF1 関連 plexiform 神経線維腫(NF1-PN)
    • NF1(神経線維腫症1型)患者に発生する良性腫瘍だが、
      • 疼痛
      • 機能障害
      • 外見上の変形
        を引き起こし、QOL を大きく低下させる。
    • 承認治療薬は限られており、長期服用を要するケースも多いため、
      **「より忍容性が高く、長期投与に適した MEK 阻害剤」**へのニーズが存在。
  • MAPK 経路駆動型固形がん
    • RAS・NF1・RAF 変異などにより MAPK 経路が活性化した固形がん、
    • また、既存 BRAF/MEK 阻害剤で治療歴がある患者を含む集団を対象。
    • 第1相では、用量・安全性・初期有効性シグナルを探索中。

3. 臨床開発状況 – PAS-004 プログラム

3-1. 固形がん 第1相試験(FIH Dose Escalation, NCT06299839)

  • 対象患者
    • RAS, NF1, RAF 変異を有する、
      もしくは既承認 BRAF/MEK 阻害剤で治療歴のある
      MAPK 経路駆動の進行固形がん患者
  • 試験デザイン
    • 多施設・オープンラベルの 用量漸増型 第1相試験(FIH)
    • 当初はカプセル製剤で開始し、用量を段階的に増量。
    • 現在、**37mg カプセル(コホート7)**まで用量漸増が完了。
  • 直近データ(2025年11月24日前後のプレスアップデート)
    • コホート7(37mg カプセル)では、DLT 期間中の
      治療関連有害事象(TRAE)は 0 件と報告。
    • PK は 線形かつ用量比例的で、Cmax/Cmin < 2 という比較的安定した曝露プロファイルを示した。
    • 安全性審査委員会(SRC)は、**45mg カプセル(コホート8)**への更なる用量増量を推奨。

この第1相の 用量漸増パートは 2026年完了を目標としており、その後は固形がんの追加コホートや NF1-PN での用量戦略など、拡大フェーズに進む計画です。

3-2. 成人 NF1-PN 第1/1b相試験(NCT06961565)

  • 対象患者
    • 成人人 NF1 患者のうち、
      • 症候性の plexiform 神経線維腫があり、
      • 手術不能または再発した症例。
  • 試験デザイン
    • 第1/1b相、オープンラベル、用量漸増+拡大コホート
    • 4mg および 8mg の錠剤製剤を用いて、PK・安全性・初期有効性を評価。
  • 錠剤製剤の PK データ(2025年11月21日前後のプレスアップデート)
    • 4mg・8mg のいずれも 線形な PK と用量比例的曝露を示した。
    • Cmax/Cmin < 2 で、細胞ベースの IC50 を上回る血中濃度が維持されたと報告。
    • カプセル製剤と比較して、錠剤は
      • AUC(曝露量)が約 3 倍
      • 変動性が低い
      • 半減期は約 57 時間
        とされ、NF1-PN のような 慢性・長期投与が前提の適応症に適した PK プロファイルであるとアピールされています。

3-3. 初期パイプライン(PAS-003 / PAS-001)

  • PAS-003(ALS 向け)
    • 標的:α5β1 インテグリン
    • 完全ヒト化モノクローナル抗体(mAb)
    • Stanford, Mayo Clinic, OHSU など複数のアカデミアとの共同研究から、
      ALS 病理における α5β1 インテグリンの役割を検証し、
      ALS マウスモデルで生存期間や行動改善を示したデータを基に候補選定。
  • PAS-001(統合失調症向け)
    • 統合失調症の病態に関与する C4 関連ターゲットを狙う小分子プログラム。
    • 依然として 創薬・前臨床段階にあり、臨床入りまでは時間を要する見込み。

現実的には、短期〜中期で企業価値に直接インパクトを与えるのは PAS-004 がほぼ全てであり、
PAS-003 / PAS-001 は「潜在力はあるが、デリスクまで長い時間と資金が必要なロングオプション」という位置づけが妥当です。


4. パートナーシップ & 戦略ポジショニング

現時点で Pasithea は、レイトステージの大型製薬企業との商業提携や大型マイルストン契約は保有していません
パイプラインの大部分は自社で開発している状態です。

一方で、

  • PAS-003(ALS)は、
    • Stanford, Mayo, OHSU など複数アカデミアとの共同研究から生まれたプログラムで、
    • ALS 病理における α5β1 インテグリンの役割を示すポストモーテム組織解析やマウスモデル実験の成果を反映しています。

戦略的には、

「まず PAS-004 の臨床データで企業価値を引き上げ、その後に意味のある提携・ライセンスアウトを模索する」

という流れを目指しているとみるのが自然です。


5. 財務・バリュエーション スナップショット(2025年 第3四半期時点)

5-1. 基本財務指標

  • 現金および現金同等物:約 4.1百万ドル(2025年9月30日時点)
  • 運転資本(ワーキングキャピタル):約 4.2百万ドル
  • 累積欠損金:約 59.9百万ドル
  • 2025年第3四半期の純損失:約 -3.0百万ドル(前年同期比で約 1.3%悪化)
  • 2025年1〜9月の営業キャッシュフロー:約 -9.8百万ドル(キャッシュアウト)
  • 同期間のファイナンスキャッシュフロー:約 +7.1百万ドル
    • つまり、増資・ワラントなどの資本調達で“持ちこたえている”構図です。

10-Q では、**「追加資金調達がなければ、財務諸表日から12ヶ月間、継続企業として存続できない可能性がある」**と明記しており、
**継続企業の前提に関する重大な疑義(going concern の不確実性)**を公表しています。

5-2. バリュエーション・株価指標

  • 時価総額:おおよそ 3.16百万ドル(極小規模マイクロキャップ)
  • 現金残高:約 4.12百万ドル「キャッシュ > 時価総額」状態
  • 発行済株式数:7.44百万株、1年間で約 +298% 増加(大幅な株式希薄化)
  • 直近 52週リターン:およそ -86%(極めて悪いリターン)
  • 株式併合:2024年1月2日に 1対20 のリバース・スプリット(株式併合) を実施

要するに、

「キャッシュ残高は時価総額を上回るものの、売上ゼロ+長年の赤字+繰り返される希薄化によって株主価値が大きく毀損した、高リスク・高ボラティリティのバイオマイクロキャップ」

という状況と言えます。

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6. 強気材料(Bullish ポイント)

6-1. NF1-PN・MAPK 駆動固形がんという標的の魅力

  • NF1-PN や NF1 関連腫瘍は、患者数こそ多くないものの、アンメット・メディカル・ニーズが大きい希少疾患領域です。
  • 既存の MEK 阻害剤(例:selumetinib など)は、
    • 毒性や曝露変動の問題から、長期投与時に負担が大きいとの指摘があります。
  • PAS-004 は、
    • 線形 PK
    • Cmax/Cmin < 2
    • 半減期約 57 時間
      といったプロファイルを前面に出し、
      **「長期投与に適した次世代 MEK 阻害剤」**としてポジショニングを図っています。

NF1-PN で 有意な腫瘍制御と忍容性の高さが示されれば、
同クラス内での差別化ポイントになり得ます。

6-2. 固形がん+NF1-PN を同時並行で攻める戦略

  • PAS-004 1剤で、
    • 固形がん FIH 第1相(用量漸増)
    • 成人 NF1-PN 第1/1b相
      を同時に進めている点は特徴的です。
  • 固形がん試験では 安全性・PK・初期有効性 を確認し、
    NF1-PN 試験では 希少疾患としての PK・耐性・腫瘍反応を評価することで、

将来的に、

  • オンコロジー(固形がん)寄りの拡大と、
  • NF1-PN に特化した希少疾患戦略

両方のオプションを残す形になっています。

6-3. 初期パイプラインのオプション価値

  • PAS-003(ALS)
    • ALS は未だ治療選択肢が限られた重篤疾患であり、
      α5β1 インテグリン標的 mAb という新規メカニズムは、
      成功すればブロックバスター級ポテンシャルを持ち得ます。
  • PAS-001(統合失調症)
    • 精神疾患領域での新規ターゲット薬は、データ次第でマーケットの注目を集めやすい傾向があります。

いずれも 創薬〜前臨床ステージであり、現時点ではバリュエーションに大きく織り込みにくいものの、
**「PAS-004 以外にも将来の柱候補が2本ある」**という意味で、長期オプションとしてはプラスです。


7. 弱気材料(Bearish リスク)

7-1. 単一アセット(PAS-004)への過度な依存

  • 企業価値のほとんどが PAS-004 の第1/1b相結果 にかかっています。
  • 第1相で PK・安全性が良好に見えたとしても、
    実際の商業的価値を左右するのは最終的に
    • 客観的奏効率(ORR)
    • PFS・奏効持続期間・忍容性
      などの指標です。
  • もし PAS-004 が
    • 期待を下回る有効性に留まったり、
    • 予期せぬ毒性が出たりした場合、

→ KTTA の企業価値は大きく損なわれる可能性があります。

一部のアナリスト向けデータでは、
「暫定第1相結果で 評価可能 21 例中 PR(部分奏効)は 1 例のみ」といった評価もあり、
市場期待にはやや届いていないとの見方もあります。

7-2. 財務構造 – Going Concern と希薄化リスク

  • 現金 4.1Mドル・累積欠損 59.9Mドル に加え、
    経営陣自身が 継続企業としての存続に重大な疑義 を認めています。
  • 発行済株式数は 1年で 約 +298% 増加し、既に 1:20 のリバーススプリット も実施済み。
  • これは、今後も
    • 公募増資
    • ワラント行使
    • 追加のエクイティファイナンス
      など 株主希薄化(dilution) が繰り返される可能性が非常に高いことを意味します。

7-3. 極端なボラティリティと不振な株価パフォーマンス

  • 2022年以降、かつての高値から -98% 超の下落を経験した局面もあり、
    直近1年の 52週リターンも -80〜-90% と、非常に厳しいパフォーマンスです。
  • 時価総額が数百万ドルレベルのマイクロキャップであるため、
    • 1日の値動きが激しく、
    • 出来高や流動性次第で 急騰・急落が頻発し得る リスクがあります。

7-4. 競合環境

  • NF1-PN および MAPK 経路関連オンコロジー領域には既に、
    • 承認済み MEK 阻害剤
    • 大手製薬・他バイオ企業による多様な 競合パイプライン
      が存在します。
  • PAS-004 が
    • 有効性
    • 安全性・忍容性
    • 投与のしやすさ

といった面で 明確な優位性 を示せなければ、
商業的ポジショニングはかなり厳しくなる可能性があります。


8. チェックポイント & 主要投資ウォッチポイント

投資家の視点から、今後ウォッチしておきたいポイントを整理すると以下の通りです。

  1. PAS-004 固形がん第1相(FIH)完了とデータ開示
    • コホート8(45mg カプセル)まで完了後、
      推奨第2相用量(RP2D) が明確に定義されるか。
    • ORR・DCR・pERK 抑制・安全性プロファイル などを総合した評価がどの水準か。
  2. NF1-PN 第1/1b相での腫瘍反応と長期安全性
    • NF1-PN で 客観的腫瘍縮小(ORR)持続的な MEK 抑制 が確認されるか。
    • 慢性 NF1-PN 向け長期 MEK 阻害剤」というストーリーを裏付けるデータが出るか。
  3. 今後のファイナンス(タイミング・規模・条件)
    • 新たな公募・私募・ATM・ワラント行使などの 希薄化イベント
    • 追加調達資金が、
      • 単なる 「延命目的の悪材料的希薄化」 に留まるのか、
      • 重要な臨床マイルストンや提携に結びつく 「成長投資」 となるのか。
  4. パイプライン多角化の進展(PAS-003 / PAS-001)
    • PAS-003(ALS) の IND 申請および第1相入りの有無・タイミング。
    • PAS-001(統合失調症) の前臨床/ターゲット検証データ。
  5. ナスダック上場維持条件への対応状況
    • 株価・時価総額・自己資本など、上場維持要件を満たしているか。
    • 追加のリバーススプリットや、上場廃止警告(deficiency notice)の可能性。

まとめると、今後 1〜2 年の KTTA 株価は、

(1) PAS-004 の臨床データ
(2) 追加ファイナンスの構造とタイミング

この 2 点に大きく左右される可能性が高いと言えます。


9. クイック Q&A(FAQ)

Q1. KTTA はすでに製品売上を出していますか?
いいえ。 Pasithea は依然として プレ・レベニューの臨床ステージ・バイオテックです。
直近 12 ヶ月ベースでも、実質的に売上はゼロであり、商業化された製品はまだ存在しません。


Q2. PAS-004 の一番の差別化ポイントは?

会社側のメッセージを一言でまとめると、

「NF1-PN と MAPK 駆動固形がん向けに最適化された、長期投与前提の次世代マクロサイクリック経口 MEK 阻害剤」

という位置づけです。

とくに、

  • 線形 PK
  • Cmax/Cmin < 2
  • 半減期 約 57 時間

といった特徴は、NF1-PN のように慢性・長期治療が前提の疾患において、既存 MEK 阻害剤と比べた際の忍容性・安定性の面で差別化要因となり得ます。


Q3. これからの主なカタリスト(株価イベント)は?

  1. PAS-004 固形がん FIH 第1相のフルデータ
    • 2026年前後に、RP2D の決定とともに、より成熟した有効性・安全性データが出てくる見込み。
  2. NF1-PN 第1/1b相の中間・拡大コホートデータ
    • 客観的腫瘍反応(ORR)、反応の持続性、長期安全性・忍容性など。
    • NF1-PN 特化戦略や小児・成人への展開、さらなる開発ロードマップに直結する可能性があります。

Q4. どのような投資家に向いている銘柄でしょうか?

  • 向いている可能性がある投資家
    • 超小型・高ボラティリティの臨床ステージ・バイオ株に慣れている投資家
    • 臨床失敗・大規模希薄化・上場廃止リスク まで許容できる
      攻撃的なイベントドリブン型グロース投資家
  • 向いていない可能性が高い投資家
    • 安定した キャッシュフロー・配当・売上規模 を重視する
      バリュー投資家・インカム投資家

実務的には、KTTA は ポートフォリオのごく一部で「宝くじ/オプション」的に扱う高リスク・バイオプレイとして捉える方が現実的であり、
コア資産として長期保有するタイプの銘柄とは言い難いでしょう。

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